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[音楽ブログ]海外で車に気をつけるべき点part.4 ファンディングはするべき!

2019.10.16
重量で旅するならV8エンジンだ!

前回の記事で我らはノースカロライナ州で修理屋に騙され車を失う事態となってしまいました。
残る手段は新しい車を購入する以外無い。しかも直るだろうと思っていた日にちの次の日くらいにはライヴがブッキングされていたので、急いで向かわないといけない。もうドタバタです。
これまでのストーリーを読んで頂いた方は「ん?でも資金無いよね?」って思われますよね。どうこの資金を調達したか、それはですねー

実は当時のメンバーは5人中3人が島根県松江市の出身。
このツアー前に一時帰国して松江市でライヴをした後に、メンバーの家族の一人が市全体の知り合い、商店、企業さまなどに掛け合って後援会を発足してくれていたのです。その後援会で集めた資金が新しい機材車を購入するに十分な金額に達していた訳です。本来ならその資金を使って新しいアルバムなど別の使い道もあったと思います。しかし、今回は緊急事態…。また今後最も使う、使うどころか、我ら5人はこの頃アパートも引き払ってたので、もはや機材車が自宅状態。
という訳で、購入したのがpart.1記事で説明したFord V8エンジンE350です。

タイトルでも書いた「ファンディング」ですが、今はクラウドファンディングが主流ですよね。この頃はそんなもの存在しなかったので、今思うと物凄い支援を松江市の方々にして頂いた想いです。本当感謝しきれない気持ちで、生きてるうちに何か恩返しをしたいって思います。
理由はともあれ、ミュージシャンに関わらずファンディングはするべきと思います。しっかりとした、内容であれば人は助けてくれる。悩んでる人は負い目なぞ感じず思い切ってやる方が良いと思います。

さて、話は戻り車の購入へ。
資金は調達済み、大事なのは車を選ぶところです。もう壊れる車は嫌なのでかなり慎重になっていた…気がしますw
5人が手分けして車を探しにその日から動きました。そこで初めてエンジンはV8パワーじゃないと自分たちのツアーは耐えられない事を知りました。
これまで使用していた機材車はV6エンジンだったので、要は一般車両。本来なら大量荷物の入った牽引をするような仕様ではない。パワーの弱いエンジンで大重量を運ぶものだから、車のあらゆる場所に圧力が掛かり故障へと繋がった訳です。実際見てみた時、確かに後ろの牽引の圧力が最もかかる部分は金属が若干変形してました…そりゃ壊れるわ。


手分けして、探し見つけたのが先ほども書いた通りの、Ford E350、15人乗りのかなり大きい車です。
僕は同じ値段くらいのツアーバスを見つけて、それが良いってずっと言ってましたw だってどうせ家がないしw 家買ったと思えば、カリフォルニアに戻った時も良いのでは?って発想w 結果反対されたのですがw
(ちなみにアメリカは大型運転免許はトラックからとかなので、ツアーバスも通常の免許証で運転可能です)


こういうやつねw

ライヴ当日の朝にFord E350を購入し、さーらーに牽引用のパーツを取り付けいざ出発!またもや1000Km近く離れた場所へ夜までに到着せねばなりませぬ…。
マジの大急ぎ。
んが、全員トラウマがあるのであまりスピードが出せない…w
急ぐと言っても、初めて決めた120Km以上はスピードは出さないルールでとにかく今度は西へ西へと進みます。目指すはテネシー州ナッシュヴィル市。

結果から言うと…間に合いませんでした…orz

出たのがお昼過ぎだったとか午後だったので、その時点で10時間以上先にある場所に辿り着くなんてまぁ無理ですよね…。途中で無理だってのはわかってました。しかも不運にもイベントが通常より早いスタートのイベントで終わりが確か24時とか(アメリカのライヴハウスは21時スタートとか遅く、終わりが25時とかが基本)。
他に行く宛てもないので、一か八かで我々はとりあえず会場に向かいました。
到着して中に入ると、ちょ〜〜〜〜〜うどイベントが終わったところ…(T_T)
本当後1時間でも早ければでした。しかも、めっちゃお客さん入ってる…。


5人でどよ〜〜んとしながら、とにかくイベンターさんには挨拶しておこうと担当者を見つけ、事情を説明し謝りました。

からの〜神再び降臨!

なんと、今からライヴやれ!って言ってくれました!

どゆこと〜?!とか思いながら、早く機材運んで来いと言われるので、とりあえずライヴできるって事だから急ごうとせっせと機材をステージへ。
すると、イベンターさんが残ってるお客さんや、PAの人に事情を説明してくれてました。
機材車が壊れて購入して遅れていた事、遠い日本からやってきた事と…

マジ感動(ToT)
それを快く受け入れてくれたPAさん、普通にセッティング手伝ってくれ猛スピートでセット完了!お客さんも大半が残ってくれると言う(T0T)
なんて良い街なんだ!

さぁステージさえ上げてもらえるならこっちのもんだ!
もちろんブチかましてやりました^^ 彼らも「おいおいおいおい、なんで遅れた!お前らもっとやれ!」くらい大絶賛^^
物販もバンバン売れました。
こういうところ、アメリカらしくて凄く好きな部分ですね。

ここに来て、やっと資金も環境も通常運行に復活!悪夢のような日々からやっと抜け出すことができました。本当広大な国な分、色々な事が起こります。
パチンコ玉サイズの雹に降られ、竜巻が現れ、山火事、豪雨、異常な雷の数、気温50度、迷路の様な農道、砂漠、地平線から地平線へと続く天の川銀河。
その中で出会う悪い人、素晴らしい人。
どれも乗り越えて行けたのはあの二つの機材車GMCとE350のお陰ですね。
E350に関しては最終的に手放すまでは20万キロ以上走ったと思います。
地球の円周が約4万キロなので、5周はしてますねwww
車で地球は周れるってことです。

車はお大事に!
(上手くまとめたつもりw)



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