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[音楽ブログ]海外vs日本!音楽の実力はどれくらい違う?

2019.10.03
日本のミュージシャンがどれだけ海外で通用するのか?クエスト攻略のオススメ
https://music.apple.com/jp/artist/supe/119629493

Twitterのコメントで海外バンドの事情を知りたいとあったので、今回は少しその辺を語ろうかと思います。
どんなミュージシャンでも一度は考える海外公演、しかし自分達の実力が通用するのか?経験のない人達は考えるところでしょう。
上記のバンドが最も海外での公演を果たした僕の初期バンドです。
よかったら聴いてください^^

僕が知る地域で最も多くの海外バンドと対バンしたのはアメリカなので先ずはアメリカから。
バンドの扱いから言うと、初めはマジでクソ扱いされます 笑
日本人ってだけで、アジア人ってだけで死ぬほどナメられます 笑
これは対バンだけでなく、会場側のスタッフも同じ。
本当気持ち良いくらい相手されない、目が合えば「んだこのチビのアジア人」って具合で見てきます。今はどうなんでしょうね?だいぶ日本の芸術が世界に浸透してきてはいるので、僕らが死ぬほどツアー回っていた頃とは違うかもしれません。
まぁそんな酷い扱いをライヴ前は大体受けてました。バーカウンターに行ってもまずバーテンは他のお客・バンドの飲み物を受け付けます。僕らが先に並んでいたとしてもシカト。セキュリティのごつい兄ちゃんは機材運んでいてもドア開けてくれない、PAスタッフはちんたらちんたら準備を適当にされる等など 笑
日本だったら2秒でブチ切れるって感じです 笑
でもこれがクエストの始まり!さぁ、一個ずつ潰していきますよ。

1.まずはリハ。セッティングします、音鳴らしてるサウンドチェックしろとPAに言われ、あんま時間ないからとか急かされます。でワンコーラスやります(ここが重要)。ここでフルパワー出します。

PAスタッフ:「!!!!!!!!!!!!!!」
僕ら:「ニヤっ」
PAスタッフ:「もうちょいやる?」
僕ら:「お願いしま〜す♩」

勝利❤️笑
PAさんって毎日・毎日バンドを見てるから良いバンドか否かくらいワンコーラスですぐ判断できます。なもんで、僕らリハのワンコーラスを凄い大事にしてました。PAも良いバンドにはやる気出ちゃう 笑 適当に音作って済まそうとしてたのが、そこはさすがに職人魂が働くのでしょう、ちゃんとやろってなります 笑

この時点ではPAだけが100%味方についてます。リハがちょい押したとしても、彼らが店長に掛け合ったりしてくれます。「こいつらヤバいからちゃんとやらせろ」って^^
この時、店長・セキュリティ・バーテンはまだ「ふ〜ん」くらいです。
でも気になってはいます。上手なんだなって事は理解したくらいです。

2.さぁバーカウンターへ行きましょう!ちなみに最初に書いたバーカウンターで相手されないは僕ら何回も受けたので、途中から入りしてからバーカウンター行くのはよっぽど喉乾いてるとかじゃない以上はリハ後って決めてましたw
さて、この時点でバーテンさんも相手はしてくれます。コーラとかくらいならケータリングとして出してくれたりします。すかさず、話しかけます!大事なのはバーテンさんの名前聞く事!自分も紹介しつつ、100%バンド名聞かれるので教えた後に紙フライヤーをバーカウンターに並べて良いか聞く!大抵OKなので、フライヤーを持って行き並べます。この時点で気に入られてると、会場全部置いて良いよとか、勝手に目立つところに置いてくれたりします。地道な作業だけど大事です。紙フライヤーくらい良いだろ?ではないです、注意すべきです。だってその紙、公演後は90%以上はゴミになります。それ片付けてくれるのがバーテンさんです。だから絶対許可は取る、何よりコミュニケーションをとっておく!
そうすれば、余ったフライヤーをもしかしたら捨てずにまた置いてくれるかも?9割捨てられますが、まぁ印象は良好です^^


3.お次はゴツイ・いかついセキュリティ兄ちゃんだ!
アメリカのセキュリティは日本と違って大体全員プロレスラーか?って体格してます 笑 片手で持ち上げられて吹っ飛ばされます 笑 (あ、ちなみに僕はセキュリティにはないですが同じくらいの体格の警官に片手で持ち上げられ2〜3メートル吹っ飛ばされたことありますwwその話はまた別で)
リハが終わった時点ではまだです。会場内の強敵は彼らです。一番納得させるハードルが高いと思います。彼らも毎日ミュージシャンを見ては飽きているのです。上手いくらじゃ心は動きません。
機材運んでたらドアは開けてくれるようはなりますw
でもリハ後には必ず話しかけます。
彼らに聞くべき事は、「物販ってどこに設置すればいいかな?」です
わかる人は答えてくれるし、わからない場合はまぁ店長聞いてとかなります。
ンンンンんがぁあー!これセキュリティに聞くのがガチで大事!何故か!?
忘れちゃいけません、ここはアメリカ。日本の何十倍も盗難に遭う場所です。
セキュリティに自分達の物販の設置エリアを聞くだけで、彼らには僕らが「物販がある」って認識されます。なんならTシャツの1枚でもあげましょう(サイズXXLくらいまで作っておく必要有り)。そうする事で彼らは仕事である「守る」って意識を自分達に向けてくれるようになります。いざって時は本当にこの人達が頼りになります。僕らも何度か酔っ払い、単なる迫害者に攻撃を受けそうな時に助けてもらってます。バーテンさんと同様名前を聞くのを忘れずに

とりあえず、この3つさえクリアすれば後は本番待つのみです。
対バンにも同じ印象与えれてたら尚良いです。とにかく良い奴でいるのが最初は大事です、なんか言い方悪いですけど。。。転換の機材運び手伝うだったり、話しかけたりなど。
ヘッドライナーだったり、有名でない以上仲間を増やすしかない。
これは徹底的にやらないとアメリカは特に厳しいです。逆にやればドンドン増えます。ライヴも対バンに見てもらうの大事ですよね?どこでも同じです。アメリカは特別有名じゃなく、上手じゃなくても、とにかく友達が多いバンドで異常な集客力があったりする奴らもいます。
そういうバンドは結構冷たかったりするので、開場したらメンバー全員でひたすらフライヤー渡しまくって自分達の出番を伝えて残って見てくれ!って話しかけます。僕らは「日本人」ってのが功を奏して、興味を持つきっかけにはなりました。本当は現地に住んでるけど、遠い太平洋の反対から来たんだ!ライヴ見てよ!って言いますw ま、嘘ではないw

Warped Tour 2008 / photo by JoeRESPECT

と、まぁ意外と始まるまで忙しい。ほんでライヴ終了!めちゃ盛り上げた!
完全勝利です。
1. PA:絶対またここでライヴしろよ!って言われればもはやファンw
2. バーテン:何飲む?って聞かれたら勝利、何とかおごってもらいましょうw
3. セキュリティ:通りすがりにハイタッチ求められたら圧勝ですw

別に誇張して書いてません。これが僕らのリアルでした。
もちろん良い音楽やってたのは大きく関わります、良い音楽じゃないと何も始まらない。良い音楽の作り方はまた別記事書こうと思います。
良い音楽とエネルギッシュなライヴ、これが僕らの武器であり日本人ってのが必殺技って感じでした。
上の3つに達成する裏技はMCにもあります。
1. 今日最高の音出してくれてるPAの〇〇に拍手!
2.みんなバーで飲んでるかい?ちゃんとバーテンにチップ払ってくれよ!
3.帰り気をつけて、セキュリティの〇〇に迷惑かけんなよ!


こういう言葉を途中に差し込むだけで会場に一体感が生まれ、素晴らしいミュージシャンだと評価されます。演奏以上に大事なことがいくつもありますね。

では、タイトルにあった海外と日本のバンド、どれくらい実力差あるの?
に答えると、単純です。別に無い。です www

いやいや、分かり難すぎますね。でも簡単に言うと本当無いです。
ただ、一つ言うならアメリカやヨーロッパは特にですが、日本のような中級クラスがほぼいないです。フェスなど出るようになってやっと出てくる感じですね。
細かく言うとライヴハウスの対バン・レベルで言うと中の下、中の中あたりのバンドはほぼいないです。大体下の下です。
全米ツアー初期の頃、ライヴハウスブッキングのみの頃僕らは無敵状態でした。
動員客・対バンもファンにさせる状態で完全無双状態w

ただ、中の上クラスになった途端に実力が一気に上がります。特に演奏力とかは急激に上がります。このクラスになるとツアー経験数がかなり多いバンドばかりになるので上手いのは当たり前。良い悪いは別として、ツアーしてるクラスにならないと日本の上手なバンドレベルとは出会わないですね。
メジャーツアークラスになるとさらに上がります。ここまで来ると演奏力・表現力・巻き込み力がスーパーサイヤ人です。
現状日本でそれくらい海外でパワー出せるバンドはそんなにいないなぁって感じます。アジア圏はまだしも、西洋圏で戦える日本バンドは少ないと思います。

ちなみに前記事で書いたメジャーツアーを回っていた頃、僕らもだいぶな洗礼を受けました。
観客から、氷・タバコ・コップ投げつけられたりしました。
開始から終わるまで、ずっ〜〜〜と中指立て続けてくるやつとかいました。
暴言・ブーイングももちろん(とは言っても1000人中2〜5人とかです)
物販テーブル蹴り飛ばされたり、まぁムッチャクチャなこともありました。
それでも音だけで戦い、音で納得させてましたね。だいぶ鍛えられました。
ちょっとやそっとじゃ動じないようになりますw

なので、これから海外でライヴするぞ!
ってバンドは思い切ってやれば良いです^^
どんどん、海外へと発信していく日本バンドが増える事を期待してます。

余談ですが、1国だけマジで異常なほど歌がうまい国があります。

それは。。。





インドネシア!

いや本当、何回か行ってますが、マジで上手い人が多いです。
なんかデフォルト?って思うくらい、とにかく多い。
この感覚はインドネシア以外では感じた事ないですね。なんか理由があるはず。
正直、見た目というか見せ方・センスが向上したら結構お宝だらけだと思います。

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